みなさん、ここ最近のニュースで一度は耳にしたのではないでしょうか?財務省次官のセクハラ疑惑。被害者はテレビ朝日の女性記者。
財務省の対応といい、録音の内容(次官のセクハラ発言)といい、正直呆れてしまう内容でしたが、「あるある」だ、自分も同じような経験をした、という女性も多いようですね。
セクハラは重大な問題と言われている割に、公になっていないだけでセクハラ被害に苦しんでいる女性はたくさんいます。
特にフリーランスで活動する女性に関しては、絶対的に自分で自分の身を守る必要があります。
実際、私自身がフリーのライターとして活動しており、立場は違えど他人事とは思えないニュースだったので、今後自分や自分の周りのフリーランス女性ができる対策を考えてみました。
【1】女性がフリーランスで働くことのメリット・デメリット【セクハラ被害の観点において】
まず最初に、今回のニュースの被害者の女性はテレビ朝日の女性記者でしたが、私たちは会社に所属していないフリーランスという立場です。
セクハラ対策をする上で、フリーランスであることのメリット・デメリットを簡単に見ていきましょう。
メリット
フリーランスの場合、会社と違って売上や業績というのは全て自分にかかってきます。
例えば、会社に所属していて、上司や管理職がセクハラに関して理解がなかった場合、実際に被害を受けても会社側に相談できなかったり、相談しても「それも仕事のうちだ」と言われてしまったら終わりですよね。
フリーランスの場合は、不快に感じたら仕事を断ることも自分の判断でできます。
もちろん、収入源やビジネスチャンスを逃すことになるかもしれませんが、この先何年もセクハラをガマンしてその相手と関わっていきたいと思いますか?
受ける仕事、相手をしっかり見極めて、良質な取引先(契約先)と長く仕事を続けていけるスキルというのもフリーランスには必要なのです。
デメリット
フリーランスの最大のデメリットとしては、やはり社会的な地位が低く見られがちなので、舐められやすい or セクハラの対象になりやすいという点です。
例えば、仕事を理由に二人きりで会おうとしたり、ビジネスチャンスを餌に性的な関係を持ちかけられたり、こちらは真剣に事業に取り組もうとしているのに、本当に失礼極まりないですよね。
社会的地位が低いフリーランスに加えて、力的にも男性には劣ってしまう女性である以上、セクハラは誰にでも起こりうることなのです。
【2】セクハラから身を守ろう!5つの予防対策
それでは、実際にフリーランス女性はどうやって自分の身を守ればいいのでしょうか?
以下、私が念のため普段から対策していることを5つ共有したいと思います。まぁ元々そんなにセクハラを受けるタイプではないですが、参考までに。(笑)
フリーランス女性のネットワークを作っておく
信頼できる同じ立場のフリーランス女性のネットワークを作っておきましょう。
最近日本にも上陸した#MeToo運動のように、女性が一丸となって身を守り、助け合える環境を作っておくのです。
飲みの席で2人きりの商談は断る
私もライターとして、インタビューや情報収集として男性と2人でご飯を食べに行くことはありますが、飲みの席の場合はなるべく2人きりを避けるようにしています。
特に相手の行きつけのお店や個室のあるお店での商談を希望してくる場合は要注意。
しつこく「二人で飲みに行こう」と誘われたら、上で作っておいた女性フリーランス同盟で信頼できる仲間に事情を話してついてきてもらうなどの対策をしましょう。
2軒目には行かない
飲みの席ではなく、ディナーを兼ねた商談はよくあることだと思います。
ディナーまで頑なに二人きりを断っていたら、さすがに自意識過剰と思われて、せっかくの商談も成立しない可能性があります。
レストランでのディナーがてらの仕事の話や懇談会は問題ないと思いますが、要注意なのが2軒目。「どう?せっかくだから2軒目」とグイグイめに誘われたら、「次の約束がある」「彼(夫)が近くまで迎えに来ている」など理由をつけて帰りましょう。
「今の時代にセクハラなんてありえないですよね〜」と先に釘をさす
これだけセクハラが騒がれている時代なので、あえて自分から釘をさす一言を伝えておいてもいいかもしれません。もちろん失礼のないように、さりげなく、TPOをわきまえて。
「今の時代にセクハラなんて信じられないですよね」
「〇〇さんはセクハラなんて絶対しないって信頼できます」
などなど、当然かのように同意を求めたり、良心に訴えかけるセリフなど、相手の性格に合わせて伝えてみましょう。
普段から露出の多い服装を避ける
そもそも普段から露出の多い服装をしていたり、隙があるような態度を見せてしまうと、相手に「いけるかも」と思わせてしまう可能性があります。
胸元が空いた服装や、ミニスカートなどの軽装は、セクハラの被害だけでなくビジネスパーソンとしても良い印象は持ってもらえません。
女の武器を使おうとして、セクハラに遭ったとしても、それは自己責任と言われて周りからフォローしてもらえない危険性があります。
【3】これってセクハラ?と感じた時の対応
続いて、セクハラ対策はしていたものの、ちょっとした油断でセクハラ(と思われる)行為を受けてしまった場合はどのように対応したら良いのでしょうか?
笑顔で「そう言われるのは不快です」と言う
セクハラまがいなことを言われたけど、まだ場の空気を壊したくない時は、笑顔を作りつつも「すみませんが、そういうこと言われるの、正直不快です。」と伝えましょう。
「不快」という言葉は「嫌な気持ちになる」という意味の結構強い表現です。
思慮のある相手だったら、気づいて話題を変えたり、セクハラ発言を繰り返すようなことはしないでしょう。
作り笑顔を見せず、真顔で拒否する
「不快です」と言っているのに相手がやめない場合、「やめてください」と言いながら笑顔を見せてしまう方は要注意です。
それがたとえ作り笑顔でも、引きつり笑顔だったとしても、男にはわかりません。特にお酒が入っていたりすると、「嫌だとか言いながらも笑ってるからもうちょっと大丈夫」という愚かな思考になる人もいます。
嫌な時は決して笑顔を見せず、場の空気が悪くなったとしても、真顔で相手の目を見て「本当に嫌なので、やめてください」とストレートに伝えましょう。
「仕事以外のお話なら失礼します」と退席
真顔で「やめてください」と伝えているのに、しつこく言ってきた場合は「仕事以外の話なら失礼します」と退席してしまってもいいと思います。
この時点で、どんなにオイシイ仕事の話だったとしても、不快なことを言われる人間と一緒に仕事したくないですよね。
せっかくフリーランスになったのに、会社員がオジサン上司に媚び売るようなことをする必要はありません。縁がなかったと割り切って帰りましょう。お金はざっくり割り勘分くらい置いていきましょう。
【4】セクハラされた…その後の対応は!?
予防や対策も虚しく、セクハラの被害を受けてしまった上に、相手からはさらにしつこく「また飲みに行こう」と誘われる、そんな時の対応はどのようにしたら良いのでしょうか。
今後、その相手と会うときは第三者を交える(なるべく男性)
セクハラ被害を受けるのはほとんどが二人きり、もしくは女性が自分だけというシチュエーションです。
今後どうしてもその人と会わなければならない時は、なんとしてでも第三者を交えましょう。
男性の方が効果的だとは思いますが、たとえ男性が見つからなくても一人では絶対に行かず、女性フリーランス仲間を数人連れて行くなど、なんらかの対策をとりましょう。
フリーランス女性のネットワークで共有する
自分自身はセクハラ男と一切関係を切ったとしても、同じ業界で同じ被害が出る可能性があります。
嫌な思いをするフリーランス女性を増やさないためにも、フリーランス女性のネットワークで情報を共有しておくと良いでしょう。
信頼できる内輪のネットワークなら、社名や個人名を出して要注意人物として共有するなど、お互いを守り合う工夫をしましょう。
セクハラの相談窓口を利用する
被害のレベルがひどい場合は、セクハラの相談窓口に問い合わせてみましょう。
個人事業主向け
- 中小企業取引ホットライン:03-3501-7061(平日9:30〜17:00)
- 下請かけこみ寺:0120-418-618(平日9:00〜12:00/13:00〜17:00)
その他・都道府県別窓口
- 都道府県労働局総合相談コーナー
- 都道府県労働局雇用均等室
上記の窓口にセクハラ被害を相談する際には、具体的なセクハラ時の状況を伝える必要があります。
*いつ(日付)
*どこで(場所)
*誰が(加害者)
*言動・行動
*周囲にいた人(証人)
【5】セクハラと戦うために使える便利アイテム3選
セクハラを訴えるまでのレベルになってしまった場合、実際のセクハラと思われる音声や画像があると良いです。音声だとわかりづらい場合もあるので、録画したものがあればさらに強いですね。
・・・とは言っても、セクハラと戦うためだけに買うべきものではありません(笑)普段の生活や仕事用として、そして念のための防犯用として持っておいて損はない一石二鳥のアイテムを3つ紹介します。
クリップ型カメラ
まず最初に、録画・録音機能がついたクリップ型カメラです。ワンタッチで撮影/録音/自動保存、操作もカンタン。
ポケットやえりに挟んでさりげなく録音・録画ができます。防犯用としてだけでなく、インタビュー取材時のボイスレコーダーとしても役立ちます。
ペン型カメラ
ボールペンの中にウェブカメラとUSBを兼ね備えた優れもの。録音・録画機能があります。
こちらもポケットやえりに挟めば自然でしょう。普段の仕事でも、大事なミーティングやインタビューなどで録音しながらメモが取れる便利なアイテムです。
メガネ型カメラ
最後はなんとカメラ付きのメガネ。1つのボタンで写真撮影、動画録画ができる優れものです。
防犯用の撮影時は、動画を撮る前に赤いライトが点灯するので、気づかれないように注意。
こちらは日常生活でも自分の目線で見たものを写真や動画におさめられるのが魅力。旅行中もカメラを持たずに手ぶらで撮影ができちゃいますよ。
まとめ
以上、フリーランス女性がセクハラから自分の身を守るための対策や対応方法についてお話しました。
実際これだけ予防してれば、相当隙がない限りセクハラを受ける段階までいかないと思います。
ちなみに、私はガードが固そうに見られるタイプですが、やはり20代半ばの頃は2〜3回ほどセクハラまがいの被害を受けたことがあります。
いずれも私がビジネスの話につられて二人きりで会ってしまったことが原因で、メールで下ネタばかり送られてきたり、隣同士のカウンター席で触ってこようとしたり、終電を逃すように仕向けられたりと、本当に不快でした。
幸いにも私は心に傷を負ったり、トラブルに発展することなく、関係を断ち切ることができました。それ以降、今回紹介したような対策をとっていたところ、びっくりするくらいセクハラを受けなくなりました。(笑)
セクハラの防犯用アイテムも、実際仕事やプライベートで使えるものばかりなので、身につけておいて損はないかもしれません。
フリーランス女性がセクハラから自分の身を守りながら、生き生きと仕事の幅を広げていくための参考になれば幸いです^^